和風小説企画さまの作品から、子犬と五郎くんです!
描いてくださるというお言葉に、ちゃっかりしっかりお願いました〜!
最後、あんなんなっちゃった五郎くんですが……
このイラストの五郎くんが、すごく幸せそうで。
子犬もなんだか嬉しそうで。
見た瞬間、おもわず泣くかと思いました><
黒雛さま、ありがとうございました〜!
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「やあ。おまえ、どっからきたんだ?」
足元にじゃれ付いてくる子犬を抱き上げれば、子犬は五郎の顔の至近距離で目を輝かせた。
「おれについてきたって、なにもしてやれないぞ?」
そう語りかけて。
しかし子犬は聞いてはおらず、風で揺れる五郎の前髪に襲いかかる。
ギリギリ届かないところで子犬を固定している五郎は、可愛らしい声で一丁前に唸り声を上げる子犬を見て、吹き出した。
「あはは! 全然怖くないっ!」
突然、声を上げて笑った五郎に、今度は子犬がきょとんとした顔で首をかしげた。
「しょうがないな。おれんとこじゃ飼えないけど、他に聞いてやるよ」
指を咬まれないようにしながら、抱えなおして。
五郎は近くの民家のほうへ、足を向けた。
「ひろしんとこは、猫飼ってるからダメだろ? カナは、父ちゃんが犬嫌いだって言ってたし……」
ブツブツと呟きながら、歩み続ける。
子供たちの声が聞こえてきて、五郎は子犬を持っていない左手を上げた。
「おおい、みんな!」
「五郎、遅かったな」
「なんだ、そいつ。うわっ、咬みつくぞ!」
興味津々な様子で、子供たちが集まってくる。
五郎はその真ん中で、みんなと一緒に声をあげて笑った。
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パラレルな感じで。
五郎が、みんなと仲良くしているシーンが書きたかったのです。