愛田美月様から頂きました♪ 月牙より『楓&コマ』です♪

 

もっと大きな画像として頂いたはずなのですが

小さな画像しか残っていなくて申し訳ありません><

愛田様宅にて、500hit記念絵でリクして

描いていただいたものです♪

このアングルに、撮ったのは楓父だろう。と。

そして、この微妙な距離感はきっと……

と、想像したものがこちらです><

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  閑静な住宅街、車通りも少ない午後。
  いつものように玄関の横で、青いバスローブをマット代わりに身を伏せていたコマは、ふと頭を上げた。
  二階にある楓部屋の扉が、勢い良く開く。

  少しよそ行きの格好をした楓。
  ノースリーブのワンピースで、いつもより華やかに見えるのは、ピンク色の服装のせいなのか。しかし、彼女にはとても似合っていた。

 「楓、出かけるのか?」
 「ううん、違うの。パパいるよね?」

  ゆっくりと階段をおり、一階奥、楓父の自室の扉をノックする。

 「パパ! あのね、お願いがあるの」

  静かに扉が開き、楓父が柔らかい笑みを湛えて姿を現す。
  隙間から部屋の中をうかがっても、闇が周囲を包み、部屋の中を見る事は出来ない。

 「どうしたんだい? 今日の楓ちゃんは、一段と可愛く見えるね」
 「ありがと、パパ。あのね? 写真を撮って欲しいの」
 「そうか! では、少し座って待っていなさい。用意してくるからね」

  暗い部屋に姿を消す楓父から視線を外し、楓は嬉しそうにコマの毛皮を梳かすべく、ブラシを手に、コマの傍らに座った。

 「どうせ撮るなら、綺麗に写りたいもんね」
 「……ひょっとして、オレも写真とやらに写るのか?」
 「そうよ。当たり前じゃない」

  以前、バイトの時に人一人が入れるほどの箱に押し込められ、証明写真を撮った時を思い出すコマ。狭く、色んな匂いが残っている箱には、辟易した。
  コマの中で、写真という物のイメージは、決して良くない。

 「別にオレは、写らなくてもいい」
 「怖いの? コマさん、証明写真の時も変な顔してたもんね」
 「怖くはないが、気持ちの良い物でもない」

  くすりと笑う楓に、奥部屋の扉が勢い良く開かれる。

 「さあ、楓ちゃん! 準備が出来たよ。入っておいで」
 「うん! コマさん、いこっ」
 「……コマもか」

  楓父は渋い顔をしたが、ふわりと笑う楓に、仕方なく二人を自室へと招きいれた。
  壁にはピンク色の布が貼ってある。本格的な機材が設置され、この時の為に用意された物ではないかと思われる。

 「パパの部屋、こんな感じになってたんだね」
 「今日は特別だからね」

  コマの鼻に、生活臭は感じられない。異空間に踏み入ったようにさえ思えた。

 「ほら、コマさんも!」
 「いや、こんな可愛いんだから、楓ちゃんだけでも十分じゃないかい?」
 「ううん。せっかくだから、コマさんとも一緒に撮りたいよ」
 「……そうか」

  楓は、渋々といった調子で部屋に足を踏み入れたコマを、隣に座らせる。
  少し離れて座ったコマに、楓が抱き寄せるように、彼の首に手を回す。

 「……コマ、近付きすぎだ」
 「そんな事ないよ。あまり離れちゃうと、コマさん写らなくなっちゃうでしょ?」

  板ばさみのコマは、つかず離れず、ファインダーに納まるのであった。
 


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愛田美月さま、本当にありがとうございました!

 

 

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